JIJICO

浜田 純子さん

企業研修講師

パワハラと言われない「叱り方」のコツ

2013年8月29日

心の病の急増で部下への指導・注意が奥手に?

パワハラと言われない「叱り方」のコツ従業員と会社の間に起こるトラブルのうち、「いじめ・嫌がらせ」に関するものが顕著に増えてきています。そんな中、心の病にかかるサラリーマンが急増し、大企業の社員約1600万人が入る「健康保険組合」では、心の病の受診数が2011年度までの3年間で2割増となったそうです。

このような状況では、「何でも『パワハラ』と言われそうで、部下に対して、まともに指導も注意もできない」という声をよく耳にします。

「余計なひと言」がパワハラの原因に

まず、指導は「部下を育成する」という目的のもとに行われなければなりません。気をつけたいことは、「注意すべき事柄だけを取り上げる」ということです。上司も人間である以上、つい感情が先にたち、注意に続けて「余計なひと言」を言ってしまいがちです。具体的には、「人格を否定するようなことを言う」「過去の失敗を持ち出す」「自分の若い頃と比較して攻める」などです。

例えば、たびたび遅刻する部下に、「遅刻はダメじゃないか!」という注意に続けて、次のようなことを口走ってしまうとNGです。

「君はだらしないから遅刻ばかりするんだ」
「これまでどんな教育を受けてきたんだ」
「親の顔が見てみたい」

また、「自分が若い頃だったら何時間も立たされて、こっぴどく叱られたもんだ!」と言って、同じように長時間立たせてしつこく叱ってしてしまうとパワハラになってしまいます。指導するときのコツは、ダメなことをきちんと伝えた上で、「なぜそうなってしまうのか?」「どうしたら改善できるのか?」といった「問いかけ」を行い、部下自身に考えさせ、気づいてもらうように導くことです。そして、改善された場合は、その事実をしっかりとフィードバックしてあげることが大切です。

叱った後の「ちょっとした声かけ」が信頼関係を築く

そして、人の気持ちは、言語とともに「表情」に表れます。例えば、部下が何かを言おうとした時、上司が怖い顔をして横目でチラッと見て大きなため息をついたとしましょう。それだけで、部下は、もう話せなくなります。部下は「言葉」だけでなく、「表情」からも上司のメッセージを受け取るのです。

一方、人は笑顔を向けられると心地よい気分になります。それは、相手が自分を受け入れてくれていると感じるからです。指導・注意した後に、その部下と廊下ですれ違ったりしたら、温かい表情で「この前の仕事、進んでる?」と、「ちょっとした声かけ」をしてみてください。上司は立場上、当然、部下をきつく叱らなければならないときもあります。しかし、日頃のコミュニケーションが信頼関係を作り上げます。同じ指導・注意をしても、信頼関係があるのとないのとでは伝わり方は雲泥の差です。

コミュニケーションをほんの少し意識するだけで部下の「心の病」を防ぐばかりでなく、パワハラのない風通しの良い職場作りのきっかけとなり、きっと業績アップにもつながっていくことでしょう。

\ この記事をシェアしよう! /

専門家に相談してみよう!

浜田 純子さん
企業研修講師

この専門家について

執筆記事一覧

関連記事&スポンサーリンク

最新記事や今おすすめ記事をお届けします。
解決!アスクミー JIJICOメルマガ

>今すぐ登録する!

「ビジネス」のその他の記事

2019年7月10日 堀田周郎さん
ブランディングコンサルタント
今治タオル実習生の不当労働報道から思う。ブランドは誰のもの?
今治タオルを扱う縫製工場で働く技能実習生の劣悪な労働環境が報道され大きな波紋が広がっています。ブランドの所有者は企業、お客さまに加えて従業員、社会のものになりました。貴方にはその認識があるでしょうか?
2019年7月2日 待谷忠孝さん
経営コンサルタント
品質相応の価格で販売出来ないことが引き起こす悪影響を考える
品質の良い商品には相応の開発コストや製造コストがかかっており、必然的に価格は高くなるはずですが、最近では安く提供されるケースも増えています。良い品が安く提供されるのは買い手にとっては良いことですが、果たして良いことばかりなのでしょうか?
2019年6月28日 新井 一さん
キャリアカウンセラー
会社員のまま起業準備することが退職後の安定した人生につながる!?
「副業解禁」の流れが加速しています。それはつまり、「将来は自分で何とかしてください」というメッセージでもあります。今、会社員のうちに「稼ぐ力」を身に付けておくことが、求められているのです。
2019年6月21日 待谷忠孝さん
経営コンサルタント
中小企業は儲かる市場を狙ってはいけない
規模の大きな市場や成長市場に参入したいとお考えの経営者様も多いのではないでしょうか。しかし、それらが中小企業にとって理想の市場とは限りません。では、どういった市場が中小企業にとって適切でしょうか?

テーマ