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森 欣史さん

司法書士

相続増税で注目「生前贈与」の正しい活用法

2014年1月29日

節税手段として関心高まる「生前贈与」

相続増税で注目「生前贈与」の正しい活用法2015年1月の相続税の基礎控除額引き下げに伴い、生前贈与への関心が高まっています。節税手段としての生前贈与には、暦年贈与の非課税枠(110万円)を利用して、毎年財産を少しずつ贈与する方法と、相続時精算課税制度の非課税枠(2500万円)を利用して、まとまった財産を一気に贈与する方法があります。ただし、相続時精算課税制度を利用できるのは、贈与者は65歳以上の親、受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の子に限られます。

さらに、20年以上、婚姻期間のある配偶者に対して居住用の財産を贈与する場合には、別途2000万円の非課税枠が利用できます。また、2015年12月31日までの期間限定ですが、例えば、孫の教育資金を子に贈与するような場合、従来もその支払があるたびに贈与するのは非課税でしたが、信託銀行などにその資金を信託することによって、孫1人につき1500万円までは非課税で贈与することができるようになりました。

なお、財産を贈与する際には契約書などを作成して、税務署や他の親族などに贈与の事実をきちんと証明できるようしておくことが必要です。

気をつけたい生前贈与の注意点は?

ただ、生前贈与には注意点もあります。例えば、親が子の名義の銀行口座に毎年110万円ずつ贈与したつもりで振り込んでいったとしても、その口座の預金通帳と印鑑を親が管理しているような場合には、暦年贈与をしていたとはみなされず、贈与者の死亡時に相続されたものとして「相続税の課税対象になってしまう」という事例がよくあります。

また、相続時精算課税制度を利用して不動産を贈与した場合、贈与者が亡くなったときには、この不動産をいったん相続財産に戻して相続税の額を計算します。その際には「相続時の価額」ではなく「贈与時の価額」で計算されます。贈与時の価額が1億円だった不動産が相続発生時に8000万円まで値下がりしていたとしても、相続税の計算の際には1億円として計算されるので、かえって相続税が高くなってしまうこともあります。

相続時精算課税制度を利用する場合、収益物件の贈与がオススメ

そのため、相続時精算課税制度を利用する場合には、将来値上がりすることが確実な財産を贈与するか、毎月家賃や地代収入が見込まれる収益物件を贈与するのがオススメです。なぜなら、後者の場合には、受贈者が家賃収入などを「先もらい」できるうえ、その家賃収入分だけ贈与者の財産が増えるのを防ぐことができるからです。

節税だけを考えて特定の子にかたよった贈与をしていると、相続争いの種になったり、相続発生時にその子が「特別受益者」とみなされ、贈与者の死亡時に残っている相続財産の相続分を減らされたりすることもあるので、その点は注意した方が良いでしょう。

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