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小田原 漂情さん

塾教師、歌人・小説家

本離れの元凶は「学校の国語教育」

2014年3月7日

本を読まない大学生、初の4割超。社会のデジタル化が理由の一つ

「本読書嫌いの原因は「学校の国語教育」を読まない大学生」というフレーズそのものは、目新しいものではありません。20年ほど前にも、「あなたは本を読みますか?」というテレビ番組の街頭のインタビューで、「読まない」「何で?」「大学生だから」というやりとりがされているのを見て、暗い気持ちになったことがあります。とはいえ、統計的に「4割を超えた」というのは、やはり憂慮すべきことと言えましょう。

そして今、「大学生だから本を読まない」という言葉と同じくらいに、衝撃的な光景を目にすることがあります。ベビーカーに乗った2歳手前ぐらいかと思われる幼児までがゲーム機か携帯端末を手にしているのです。

若者が「本を読まない」最大の理由の一つは、社会があまりにも視覚化、デジタル化されたことにあると私は考えています。冒頭で紹介した20年前でも、家庭でのテレビゲームは当然のように普及していました。現在、幼児もさりながら、小・中学生ともなれば、ゲーム、ネットは完全に生活の一部となっています。知的好奇心を満たす手段が、身の回りにあふれているのです。

正解探しだけが目的の「受験のための勉強」が「本離れ」を助長

そして、忘れずに挙げておきたいのは「学校での国語教育」です。小学校から高校に至るまで、国語が本来とは違う「受験のための勉強」になっていることが、問題を助長しているのではないでしょうか。特に大学受験という誰もが真剣に勉強に取り組む貴重な時期に、評論文ばかり、しかも正解探しだけが目的のような手法の指導をすることが、「大学生の本離れ」を後押ししているように思われます。

さて、では若者が「本を読むようになる」ために、何ができるのでしょう。「大学生になってからでは間に合わない」のは、言うまでもありません。「視覚化・デジタル化」についても、それをもとの方向へ戻すことは不可能です。

地道な営みを少しずつ重ねることになりますが、小・中学生のうちに、言葉のすばらしさに気づかせることです。そして、中学・高校・大学受験の勉強をしながらも、文章を深くきちんと読みこめるように導くことです。

まず教育の場が、こうした国語本来の道を目指すべきだと考えます。本来、「国語」とは、そして「本」とは、深く、面白いものなのです。そのことを教えるのが、「本」によって人生を豊かにしてもらった我々の大きな務めなのだと考えます。

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