JIJICO

仙波 誉子さん

防災士

中小企業が策定すべき防災対策

2014年3月18日

中小企業において取り組みが遅れる防災対策

中小企業が策定すべき防災対策企業において、大規模災害時に必要なこと。それは、「従業員や周辺住民の安全を一定期間確保すること」「被害を最小限に食い止めること」「早期復旧して企業活動の存続を図ること」です。今日、あらゆる危機に備えるために「事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)」の策定が求められています。総務省の平成24年度版情報通信白書によると、大企業で64.2%、中小企業で34.0%の企業が、策定済もしくは策定検討中であることを報告しています。導入が徐々に進んでいるものの、中小企業においては特に取り組みが遅れているのが現状です。

東京都では「帰宅困難者対策条例」があり、その中で「従業員の3日分の飲料水、食糧その他災害時における必要な物資」を備蓄することが努力義務として明記されています。また、備蓄の必要性が叫ばれているにもかかわらず、中小企業の10%に満たない企業でしか全てを備蓄できていないという報告もあります。中小企業の場合、防災に関する専門的知識やコスト等において、対応が難しいという問題があるのかもしれません。しかし、大規模災害が発生した場合、経営基盤の脆弱な中小企業は、事業縮小や廃業を余儀なくされるおそれがあります。そこで、中小企業も早急に防災対策に取り組む必要性が出てくるのです。

いかなる危機でも生き残る企業であるために。防災対策は必須

企業防災は、物的被害の軽減を目的とする「防災」と、企業の存続を目的とする「事業継続」の両側面から対策を講じる必要があります。これから対策を始める企業は、以下のような基礎となる防災対策から実施してみてください。

1、安否確認・緊急連絡体制の整備
・従業員(家族を含む)や取引先の連絡先リストの作成と連絡方法を確認する。
・災害用伝言ダイヤル等の活用方法を周知する。
2、緊急時の組織体制や対応準備
・指揮命令系統を明確にする(組織のトップが不在の場合も想定しておく)。
・緊急時にすべきことを幹部に周知する。
・顧客がいる場合の安全確保対策を考える。
・常に重要な情報のバックアップをしておく。
3、建物・設備の災害危険度の把握と対応
・建物の耐震診断を受けて、必要に応じ補強の計画を立てる。
・社内の書架・パソコンなど設備の固定やガラスの飛散防止をする。
4、災害用物資の備蓄

防災対策は経営者の責任です。経営者が率先して取り組むことが重要です。また、経営者や幹部は、災害発生時、会社に駆けつけ、対策本部を立ち上げて指示命令を出す立場にあります。家庭のことは家族に任せてすぐに現場へ迎えるように、まず各自の家庭の防災をしっかりと調えてください。

災害が頻発する昨今において、いかなる危機でも生き残る企業であるためには、事前の備えは必須です。防災対策を強化することは、生命の安全を確保するだけでなく、企業の信頼性を高めることにつながります。今から防災対策を始めましょう。

\ この記事をシェアしよう! /

専門家に相談してみよう!

仙波 誉子さん
防災士

執筆記事一覧

関連記事&スポンサーリンク

最新記事や今おすすめ記事をお届けします。
解決!アスクミー JIJICOメルマガ

>今すぐ登録する!

「ビジネス」のその他の記事

2019年7月10日 堀田周郎さん
ブランディングコンサルタント
今治タオル実習生の不当労働報道から思う。ブランドは誰のもの?
今治タオルを扱う縫製工場で働く技能実習生の劣悪な労働環境が報道され大きな波紋が広がっています。ブランドの所有者は企業、お客さまに加えて従業員、社会のものになりました。貴方にはその認識があるでしょうか?
2019年7月2日 待谷忠孝さん
経営コンサルタント
品質相応の価格で販売出来ないことが引き起こす悪影響を考える
品質の良い商品には相応の開発コストや製造コストがかかっており、必然的に価格は高くなるはずですが、最近では安く提供されるケースも増えています。良い品が安く提供されるのは買い手にとっては良いことですが、果たして良いことばかりなのでしょうか?
2019年6月28日 新井 一さん
キャリアカウンセラー
会社員のまま起業準備することが退職後の安定した人生につながる!?
「副業解禁」の流れが加速しています。それはつまり、「将来は自分で何とかしてください」というメッセージでもあります。今、会社員のうちに「稼ぐ力」を身に付けておくことが、求められているのです。
2019年6月21日 待谷忠孝さん
経営コンサルタント
中小企業は儲かる市場を狙ってはいけない
規模の大きな市場や成長市場に参入したいとお考えの経営者様も多いのではないでしょうか。しかし、それらが中小企業にとって理想の市場とは限りません。では、どういった市場が中小企業にとって適切でしょうか?

テーマ