JIJICO

大西 勝也さん

内科医

女性にも多い「S状結腸がん」

2014年5月8日

S状結腸とは、肛門につながる直腸の手前の大腸の部位

女性にも多い「S状結腸がん」先日、女性タレントが「S状結腸がん」の手術を受け、術後の経過も良好と報道されました。S状結腸とは、その名の通り、アルファベットのS字のように曲がった管で、肛門につながる直腸の手前の大腸の部位です。そこにできたがんのことを「S状結腸がん」といいます。

直腸がんと並んで日本人にできやすい大腸がんのひとつです。厚生労働省の平成24年人口動態調査によると、日本人の死因の1位は悪性新生物、いわゆる「がん」で全死亡者の約30%を占めます。その中で、S状結腸がんを含む大腸がんは、がん全体の1/8。大腸がんにかかる割合は、50歳代から増加し始め、高齢になるほど高くなります。男性の方が大腸がんになりやすいといわれていますが、女性にもよく見られます。大腸がんは、粘膜の表面から発生し、大腸の壁に次第に深く侵入していき、進行するにつれてリンパ節や肝臓や肺など別の臓器に転移します。

「繰り返す下痢と便秘」「大便が細くなる」には要注意

初期は無症状のことが多いです。S状結腸がんは、早期であればほぼ100%近く完治しますので、定期的な検便による大腸がん検診(免疫学的潜血反応)が有効です。特に、糖尿病の人は大腸がんになりやすいため、強くお勧めします。

S状結腸がんは症状が出やすく、「繰り返す下痢と便秘」「便の表面に血液が着いたり、便に血が混じる、いわゆる血便」「大便が細くなる」という症状が典型的です。生活習慣では、過体重と肥満でリスクが高くなります。また、過度の飲酒や加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)は、大腸がんを増やします。

S状結腸がんの治療と予防策

初期であれば、内視鏡を用いた治療で完治することも可能です。少し進行して、肝臓や肺などへの転移が認められても、手術が可能な病状であれば治る場合があります。また、放射線治療や抗がん剤治療が行われることもあります。

そして、適度な運動は大腸がんを予防することが認められています。野菜と果物を適度に摂ることも、おそらく予防につながるといわれています。

S状結腸がんは治療の進歩が著しいので、決して悲観する必要はありませんが、早期発見および予防が重要です。運動、食事を見直すことはS状結腸がんだけではなく、高血圧、糖尿病など生活習慣病を改善にもつながります。明日から最初の一歩を踏み出しましょう。

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