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西尾 浩良さん

心理カウンセラー

「飛行機イヤ」は病気?その改善法とは

2014年7月26日

特定の対象に心理的学的及び生物学的に拒絶反応を示す「恐怖症」

「飛行機イヤ」は病気?その改善法とは先日、横浜DeNAベイスターズのグリエル選手が飛行機での移動に難色を示し、沖縄県那覇市での巨人戦を欠場するという報道がありました。チームGMの説明によると「グリエル選手は、飛行機で行きたくないということでした。チームドクターも無理との判断で決定した」とのこと。後日、病院で診察を受け、「飛行機恐怖症」の診断が下されたとの報道も目にしました。

「恐怖症」とは、特定の対象に対して、心理的学的及び生物学的に異常な拒絶反応(過剰な不安感や恐怖感が起こる、動悸がする・体が震える等)を示す精神疾患の一つです。「恐怖症」が起こる原因は多様ですが、おもに対象についての「直接的な体験」「間接的な体験」「外部からの刷り込み」が挙げられます。

恐怖や不安を理屈で制御できず自律神経のバランスが崩れる

グリエル選手はインタビューに対して「もともと飛行機は苦手だったが、去年乗ったときにひどい揺れを経験して、それからとても怖くなった」と話しています。また母国であるキューバから日本に来る際も「天候をチェックして、大丈夫なことを確認してから来た」とも話しています。

これは、飛行機に搭乗中に強い恐怖を感じる体験をした「直接的な体験」が原因となって「恐怖症」となっている状態です。この「飛行機に乗る」という場面(状況)と「強い恐怖・不安」といった感情を脳がセットで学習した結果、次に飛行機に乗るといった場面に遭遇すると、その学習によって「恐怖・不安」といった感情が想起され「飛行機恐怖症」が起こっているのです。

そもそも飛行機事故に遭う確率は自動車事故よりもはるかに低く、とても安全で快適な移動手段であることは誰でも理解していることで、当然グリエル選手も理屈では理解していることだと思います。しかし、恐怖や不安は「感情」ですので、理屈で制御することはできず、自動的に起こるものです、さらに恐怖や不安はストレス感情のため、これを感じることで自律神経のバランスが崩れ、動悸・胃痛・腹痛・吐き気・めまい・震え・などの身体症状が起こり、結果、その苦しさも学習してしまうといった悪循環が起こります。

「恐怖症」の改善には「系統的脱感作」や「暴露療法」が効果的

「飛行機恐怖症」改善のためには、この「飛行機」=「恐怖・不安」という不合理な認知(間違った学習)を合理的な認知に修正していくことが必要となります。しかし修正するためと言っても、恐怖心を我慢して無理やり飛行機に乗るなどの荒療治は逆効果です。「恐怖症」の改善には、「系統的脱感作」や「暴露療法」が効果的です。これらは「行動療法」「認知行動療法」と呼ばれる心理療法の一技法で、恐怖を感じる場面に対して「本来は安全である」という経験を少しずつ積み重ねていくことで、間違った学習を正していくというものです。どちらも恐怖感の比較的軽い場面から徐々に強い場面へと経験を重ね、段階的に合理的な認知を獲得していく方法です。少し回り道に思えるかもしれませんが、結果として合理的で「恐怖症」の改善に有効な療法です。

これらの療法を、自己流で行なうことはしないでください。適切な手法を理解せず行うと、かえって悪化させてしまう可能性があります。これらを行っている病院やカウンセリングルームなど専門機関に相談してください。恐怖感が強すぎて軽度の経験に対しても抵抗が起こる場合は、軽い安定剤などの投薬治療と併用して進めることも有効です。

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