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佐々木 茂樹さん

ファイナンシャルプランナー

教育費の備えに「学資保険」王道に潜む注意点

2015年1月8日

幼稚園から大学まで、安く見積もっても1000万円前後かかる

教育費の備えに「学資保険」王道に潜む注意点子どもの学費は、一般的に国公立の幼稚園、学校を選択することで安くなります。文部科学省が調査した平成24年度の子どもの学習費は、幼稚園(3歳から)から高校まで15年間、国公立で通った場合、総額で約500万円となりました(学習費とは、学校でかかるお金の他、学校外活動費として、学習塾やスポーツ教室などに通う月謝・図書費などが含まれます)。

また、国公立大学の入学料は約30万円、授業料が約55万円の他、教科書代や専門によっては実験実習費などがかかります。合計すると大学にかかる費用だけで300万円~500万円。

さらに、自宅を出て大学に通うとなると、準備金や家賃・生活費が別途かかるため、幼稚園から大学まで、安く見積もっても1000万円前後かかる計算になります。

奨学金や教育ローンは借金。借り過ぎには注意が必要

近年、奨学金を受給しているのは全大学生の50%以上。つまり、2人に1人は奨学金を受給しながら、大学に通っているのです。奨学金には、後に返済が必要な「貸与型」と、返済しなくても良い「給付型」がありますが、返済義務のない給付型は条件が厳しくなっています。一方、貸与型には返済義務がありますが、無利息または低金利です※奨学金は入学前に受給できないので、入学金などの事前準備は必要です。

また、教育ローンは一般的に通常のローンより低金利で、国と民間のものがあります。貸付条件は国の教育ローンの方が緩和傾向にあります。しかし、奨学金(貸与型)や教育ローンと言っても、結局は借金。後々の負担が大きくなり支払えなくなると、自動車や住宅などの必要なローンが組めなくなることもありますので、借り過ぎには注意が必要です。

ただ、2015年からは卒業後に地方に一定期間就職すると、奨学金の返済を支援するための官民共同の基金が設立される方針です。条件が合えば、今までより奨学金制度を利用しやすくなるでしょう。

学資保険、払った保険料よりも受け取れる金額が少ないケースも

教育資金に備えるため、預貯金などで貯蓄をする方法もありますが、学資保険に加入する人が多い傾向にあり、いわば「王道」というイメージすらあります。学資保険は、学校などの入学時に合わせてお金が受け取れたり、特約を付けた場合、被保険者である子どもが病気・ケガばどで入院すると保険金が給付されます。また、契約者である親に、もしものことがあった際、その後の保険料払込が免除されるため、子どもが生まれたらすぐに加入を検討する、という人も少なくありません。

ただし、入学にかかるお金をすべて保険で賄おうと思うと、保険料がかなり高くなります。今後、学費として支払いが可能な部分を除き、その時点で足りなくなるかもしれない金額を算出することで保険料を抑えられます。

以前は高利回りの商品が多かったのですが、最近は実際に払った保険料よりも受け取れる金額が少なく、結果的に損をする商品もあります。加入前にしっかり確認してください。

低解約返戻金タイプの終身保険に加入する方法も

また、大学入学時に合わせて、解約返戻金を受け取るよう設定した低解約返戻金タイプの終身保険に加入する方法もあります。このタイプの保険は、被保険者(親)が死亡した時に受け取れる死亡保障が高く設定できる、というのがポイントです。その死亡保険金を学費に充てることができます。また、払込満了後、学費に充てる必要がない場合には、解約しなければ返戻金が増えていきます。

しかし、払込途中に解約すると受け取れる金額が少なくなり元本割れすることが多いので、無理せず支払いを続けられる保険料にしましょう。また、保険料率の改定により、大半の商品が以前より利回りが下がりました。学資保険同様、しっかりと比較検討が必要です。

まずは、生活スタイルをしっかりと見つめ直し、家計に合った貯蓄・保険加入などを考えてみましょう。

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