JIJICO

半田 望さん

弁護士

相次ぐ異物混入、もしも遭遇したら?

2015年1月16日

世間を騒がす数々の異物混入事件

相次ぐ異物混入、もしも遭遇したら?最近、食品の中に異物が混入していた、というニュースが世間を騒がせています。 食品工場や飲食店では、普段から衛生管理を徹底し、製造過程において「人の健康を損なうおそれがあるもの」の混入がないよう注意する食品衛生法上の義務があります。それをさておいても、商売上の常識として「食品に異物が混入してはいけない」ということは、ほぼ異論がないところでしょう。

しかし、どれだけ注意しても、消費者の手元に届くまでに異物が混入する可能性をゼロにはできないことも、最近の相次ぐニュースを見れば想像ができるところです。

異物が混入していたという証拠をはっきりと残す

では、消費者として、食品の異物混入に遭遇した場合、どう対応すべきでしょうか。このような場合、まずは発見した異物と、混入元の食品(商品)の写真を撮り、異物が混入していたという証拠をはっきりと残すことが大切です。また、当該商品は製造元に返却することになるため、混入していた異物も含めて処分せず、別々にチャック付きポリ袋などに入れて保管するべきでしょう。

包装袋や外箱にも、製造工場や製造時期を示す固有番号が印刷されていることがありますので、これらもすべて捨てずに保管しておいてください。購入店のレシートがあれば、購入した証拠となりますので、それも保管しておくべきです。

SNSへの書き込みは名誉毀損ないし信用毀損行為となり得る

そのうえで、メーカーの問い合わせ窓口(飲食店であれば店頭の店員)に対し、異物が混入していたことを告げて対応を求めることが最善です。

近時の異物混入がニュースになっている事例では、メーカーにクレームをつけず、TwitterやFacebookなどのSNSに異物混入の話を書き込んだり、Youtubeやニコニコ動画といった動画サイトにアップすることもあるようですが、このような行為は場合によっては、事実であってもメーカーに対する名誉毀損ないし信用毀損行為となり得るため、避けた方が良いでしょう。

製造者にきちんと事実を伝えて改善を促すことが最善の行為

なお、このような異物混入によって健康被害が生じた場合、製造物責任法に基づきメーカーの責任を問うことができますが、「生命、身体、財産の損害」がない場合には製造物責任の問題となりません。このような場合には、不良品として製造者に返品・交換を求めることが法律上、取り得る最大限です。

冒頭述べた通り、どれだけ注意しても異物混入の可能性をゼロにはできない以上、製造者が原因を究明して対策を取るよう促し、再発を防止していくことが何より大切です。そのためには、製造者側にこのような問題に対して謙虚に対応するよう求めていくこと、そして苦情が「不当なクレーム」になってしまい製造者が聞く耳を持たなくなるような行動ではなく、製造者にきちんと事実を伝えて改善を促すことが、消費者として取り得る最善の行為ではないでしょうか。

\ この記事をシェアしよう! /

専門家に相談してみよう!

半田 望さん
弁護士

この専門家について

執筆記事一覧

関連記事&スポンサーリンク

最新記事や今おすすめ記事をお届けします。
解決!アスクミー JIJICOメルマガ

>今すぐ登録する!

「法律」のその他の記事

2018年11月12日 河野 晃さん
弁護士
ベランダ越しの受動喫煙で近所トラブル、悪いのはいつも喫煙者?
マンションなど集合住宅のベランダでの喫煙が、ご近所トラブルに発展するケースは少なくありません。タバコを吸うこと自体は違法ではないけれど、受動喫煙防止対策が強化される中、喫煙者のモラルやマナーが問われています。
2018年10月8日 中村 有作さん
弁護士
解決!アスクミー JIJICO
台風で自宅待機や休業になった場合、その日の分の給料はもらえる?法律のルールを解説
今年は日本各地で災害が多発しました。大雨、強風、地震等の災害が発生して停電となったり各地で相当の損害が発生しました。台風で自宅待機や休業になった場合に、給料はもらえるか?労働法26条の規定を詳しく解説します。
2018年9月26日 村越 真里子さん
夫婦問題カウンセラー
解決!アスクミー JIJICO
「別れさせ屋」に適法判決 工作を頼む前に考えておくべきこと
「別れさせ屋」はその行為の是非が問われやすいものです。法律上の判断にかかわらず、恋愛に卑怯な行為やうしろめたい行為は避けたいものです。
2018年9月25日 林 朋寛さん
弁護士
解決!アスクミー JIJICO
ふるさと納税の返礼品の規制より、住民税の税額控除を廃止すべき
「ふるさと納税」の「返礼品」の高額化について法改正で規制をしようという総務省の方針は、住民税の減収になる自治体の問題を残しており、適切なものとは思われず、むしろ住民税の控除を廃止すべき。

テーマ