JIJICO

熊谷 修平さん

塾長

「アクティブ・ラーニング」が今後の授業スタイルを変える?

2015年4月21日

一斉講義型の授業スタイルに変化が

HF188_L最近、教育の場ではさまざまな改革が議論されています。「アクティブ・ラーニング(能動的学修)」と呼ばれるものも改革案の代表的な一つであり、現在、小中学校や高校の教育内容を定めた「学習指導要領」の全面改訂に向けた議論が中央教育審議会で行われています。

この「アクティブ・ラーニング」。聞き慣れない言葉ですが、簡単にいってしまえば「これまでの一斉講義型の授業スタイルから、生徒たちが主体的に学び合う学習スタイルへの変化」と表現できます。これにより、「生涯にわたって学び続ける力、主体的に考える力を持った人材」を育てようという狙いです。

従来の授業型との組み合わせ度合いが重要

もともと、「学び」というのは受け身では難しく、自らが学ぶ意思を持ち、自分で取り組み、考えて初めて身につくものです。そうした意味において、今回の改革案はとても大きな意味があり、生徒たちを指導する現場の教員などからも期待の声が挙がっています。ただ、一方で、懸念点があるのは確かです。

「アクティブ・ラーニング」は確かに主体的に取り組む力がつき、習得度の向上に期待が持てる一方、従来の講義型と比べれば知識の伝達量はどうしても落ちてしまいます。知識という土台がない上での学びは、単なる「話し合い」になってしまいがちです。

そのため、あくまでもきちんとした知識の土台ができ上がった上での適用がポイントになってきます。そうした意味では、従来の授業型との組み合わせ度合いが重要になるでしょう。

教員の指導レベルが問われる

また、一番難しいと思われるのが「教員の養成」です。これまでの授業形式に慣れている教員にとって、「アクティブ・ラーニング」の形式は難易度が高いと考えられます。これまでの「教える」という立場から、生徒を「導く」という立場への変化が求められるからです。生徒が歩くスピードに合わせ、その少し先に課題を置きながら進む姿勢は、これまでの一方的に教えるスタイルと大きく異なります。

例えば、生徒が躓いていたとしても、これまでのようにその「原因」や「答え」を言うのではなく、あくまで生徒自らが「原因」や「答え」を導き出し、問題を解決していく手伝いに徹する必要があります。これは、放任しすぎても、干渉しすぎても駄目で、教員の指導レベルが問われます。

課題を自ら見つけ、解決していくような人間になることが最終目標

上記のような懸念点はいくつか考えられるものの、全体的に考えれば、「アクティブ・ラーニング」の導入は、これからの時代に活躍する人材を育てるという意味において、大いに期待が持てるシステムです。

もちろん、これが単なるシステムに留まることなく、本当の意味で生徒1人1人が自分の興味あるテーマ、課題を自ら見つけ、解決していくような人間になることが最終目標であることは忘れてはいけません。

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