JIJICO

西尾 浩良さん

心理カウンセラー

面接時に担当者が違和感を覚える、就活生の「ある行動」とは??

2015年9月17日

「面接官である自分と全く目が合わない」就活生が増加

面接時に担当者が違和感を覚える、就活生の「ある行動」とは2016年卒業予定の大学生から就活の開始時期が3カ月後ろ倒しとなり、従来3年生の12月から行われていた企業エントリーが翌年3月からに変更されました。そのため、企業の選考期間はこの8月と9月に集中しており、来年3月に卒業予定の大学生は、今まさに試験に面接に奮闘していると思われます。そんな折、とても興味深い記事を読みました。

それは企業の面接官が学生との面接に臨む際に、ある違和感を覚えることが増えたという内容で、その違和感とは「入室や退室時のお辞儀はとてもきれいにできているのに、面接官である自分と全く目が合わない」というものでした。

「人と話をするときには相手の目を見て話しなさい」と、誰もが一度は親や先生などから教わったことがあると思います。その常識的な観点から見れば、自分のやる気や企業への思いをアピールし、面接官に評価してもらうことが目的の就職面接の場で、面接官と視線を合わせないことは、その他の態度や受け答えがしっかりできていたとしても大きなマイナスポイントになるでしょう。

「言語的コミュニケーション」と「非言語的コミュニケーション」

我々が行なうコミュニケーションには、「言語的コミュニケーション」と「非言語的コミュニケーション」のふたつがあり、前者は「言葉」、後者は「言葉以外の表情や態度など」を使って行うもので、ある研究結果では「非言語的コミュニケーション」によって伝わる情報量は「言語的コミュニケーション」が伝える情報量より多く、その割合は7:3であるとも言われています。その「非言語的コミュニケーション」の中でも重要な要素が「表情」であり、「表情」を決定づけるのが目なのです。

他者と視線を合わすことは心理学用語で「視線交錯」と呼ばれ、社会的に深い意味をもつと言われています。「視線交錯」の回数が多いと相手に対して親和性(好意的な印象)を感じやすく、逆に視線が定まらなかったり、うつむいて視線が合わなかったりすると相手は自分に興味がないと感じます。また他者と一定の距離があるときには「視線交錯」が起こりやすく、距離が近い時には減少します、これは距離がある場合に視線を合わせないと誰に向かって話しているか分かりにくく、近い距離で視線が合いすぎると親和性が強くなりすぎて、お互いに気まずくなるからです。

就職面椄の場面は面接官と一定の距離が取られている場合が一般的で、さらに面接官は複数の場合も多く、視線を合わすことができないとどれだけ上手に答えても、面接官は「自分の質問に答えてくれている」ということが感じられず、学生に対しての親和性は乏しくなるでしょう。

現代の若者のコミュニケーション様式に問題も

視線を合わせることが大切である就職面接の場面で、それをしない学生が増えている原因として、前述の記事ではスマホを操作しながら会話をするといった現代の若者のコミュニケーション様式に問題があるとしています。確かにそれも一因として考えられるのですが、それに加えて長引く不況によって将来に希望が持てない社会に育ち、また生活様式・価値観の多様化などによって、何が正解かを明確に感じ取ることが困難になり、複雑化した社会の中で「自己肯定感」の低い若者が増えているのではないかと考えます。

「自己肯定感」とは長所も短所も含めて「自分はこれで良い」と思える感覚のことで、この「自己肯定感」が低いと、コンプレックスを隠したい、至らない自分を見られたくないといった心理が働き、視線を合わせることにある種の恐怖や不安を感じるのです。

就職面接の場は評価をされる場ではありますが、同時に学生が社会へ踏み出す最初のステージを見つける場でもあります。目の前にいる面接官は敵ではなく、縁があれば将来同じ目的を持って働く仲間になるかもしれません。そう考えて面接官の問いや態度に興味を持って面接に臨めば、自然な「視線交錯」が起こるのではないでしょうか。

このコラムを書いた専門家に質問できます

西尾 浩良さん
心理カウンセラー

無料で相談してみる

「ビジネス」のその他の記事

2017年7月24日 林 朋寛さん
弁護士
刑法改正で性犯罪が厳罰化へ 性犯罪は減少するのか?
「強姦罪」から「強制性交等罪」に変更、厳罰化、「監護者わいせつ罪」「監護者性交等罪」の新設、起訴は被害者等の告訴不要に。しかし、課題や問題も。
2017年7月23日 河野 晃さん
弁護士
共謀罪法施行 準備行為の規定があいまいで企業活動委縮の懸念
組織犯罪処罰改正法が施行されました。同法の改正については、日弁連をはじめ各種団体、学者らからの反対がありましたが、実際の運用はどうなるのでしょうか。
2017年7月23日 平松 幹夫さん
マナー講師
知らず知らずのうちにマナー違反?最低限知っておきたい食事時のマナー
日本人は食の安心・安全には敏感ですが「心を通わせて食べる」ことは苦手なようです。最低知っておきたい食事時のマナーについて解説します。
2017年7月22日 清水 泰志さん
経営コンサルタント
全成人に月8万円配布の提言が話題に。ベーシックインカムの利点と問題点
ベーシックインカムは企業中心の社会保障制度への代替案という意味だけではなく、人間の生存権をどう考えるかという理念的課題を含んでいます。
2017年7月21日 影山 正伸さん
社会保険労務士
東京都で時差BIZキャンペーン開始!通勤ラッシュ緩和につながるか?
東京都は7月11日から25日まで、通勤ラッシュ緩和のため「時差BIZ」キャンペーンを始めました。企業の多様性の受容が必要ですが、定着するでしょうか?
2017年7月20日 長谷川 満さん
家庭教師派遣
小中学生の親必見!夏休みの宿題は親子で楽しもう!
子どもたちにとって待ちに待った夏休みですが、忘れてはいけないのが大量の宿題。でも、工夫次第で子どもの成長につながる貴重な体験に繋がります。
2017年7月20日 大西 勝也さん
内科医
大流行の手足口病!大人にも感染するの?
手足口病が今年も大流行の兆しを見せています。手足口病はウイルス感染症で、乳幼児を中心に流行しますが、大人に感染することも。注意すべきポイントは?
2017年7月19日 目代 純平さん
ITコンサルティング、ITコンシェルジュ
ACジャパンの桃太郎CMが話題に!ネット上でのマナーをあらためて考える
桃太郎の物語を題材に「ネット炎上」の惨状を描いた公共広告が話題になっています。多くの人がネットを使うようになった今日、みんなが気持ちよくネットを使うためにはどんな配慮が必要か、考えてみたいと思います。

JIJICOメルマガを受け取りますか?

> 受け取る

テーマ