JIJICO

田沢 剛さん

弁護士

裁判所も認めた!アイドルの「恋愛禁止条項」は有効か?

2015年10月2日

東京地裁はアイドルの恋愛禁止条項を有効だと判断

裁判所も認めた!アイドルの「恋愛禁止条項」は有効か?アイドルグループのメンバーと所属芸能事務所との間で取り交わされた契約における恋愛禁止条項の効力について、平成27年9月18日、東京地裁においてこれを有効と認める判決が出されました。

アイドルと所属芸能事務所との間で取り交わされる恋愛禁止条項については、その是非を巡って議論が交わされてきました。この判決では、女性アイドルグループである以上、多くの男性ファンを獲得してチケット等の売上げを増やすためには、恋愛禁止条項が必要だと判断した模様です。

所属タレントはある意味で商品と表現できる

そもそも、人間にとって恋愛をすることは自由ですし、異性と交際することも自由です。このような自由は、国家権力の侵害から守られるべき自由であるという意味で、一つの人権であることは間違いありません。しかし、芸能事務所との契約における恋愛禁止条項は、国家権力による自由の侵害という問題ではないため、人権侵害かどうかという問題ではなく、そのような条項を公序良俗に違反するものとして無効とすべきかという観点から判断されます。

芸能事務所も商売です。利益を獲得するために所属タレントへお金をかけ、アイドルとして育て上げていくわけですから、所属タレントはある意味で商品と表現できます。「アイドルが異性と交際することで、その商品価値が損なわれてしまう」ということであれば、お金をかける意味がありませんし、かけたお金も無駄になりかねません。であれば、恋愛禁止条項を入れて契約をすることは、芸能事務所にとっては一応合理性のあるものということができます。しかしながら、「アイドルが異性と交際しても、その商品価値が損なわれることはない」というのであれば、芸能事務所が商売とは関係のないところで私生活の自由を制約することにほかなりませんので、合理性を認めることは困難となります。

異性との交際がアイドルとしての商品価値を損なうか否か

異性と交際することが、アイドルとしての商品価値を損なうといえるのかどうかは、本来、そのときどきのファンの心理がどうなっているのかを分析しなければ何とも言えません。その意味では、先の判決もどこまで証拠に基づいて判断をしたのか判然としないところであり、恋愛禁止条項の是非を巡る議論というものは、もしかしたら、そこの認識の違いに基づくものなのかもしれません。

ただ、恋愛禁止条項を含む契約を締結したくないのであれば、契約をしなければ済む話です。契約締結後に恋愛禁止条項が「公序良俗に反して無効」であると主張するのであれば、「アイドルが異性と交際しても、その商品価値が損なわれることはない」という事実など、条項に合理性がなく過酷な内容であることを基礎付ける事実を積極的に立証していくことが必要となってくるのではないでしょうか。

専門家に相談してみよう!

田沢 剛さん
弁護士

この専門家について

執筆記事一覧

最新記事や今おすすめ記事をお届けします。
解決!アスクミー JIJICOメルマガ

>今すぐ登録する!

「法律」のその他の記事

2017年9月22日 片島 由賀さん
弁護士
解決!アスクミー JIJICO
「自転車保険」義務化への動き 事故への備えはしていますか?
自転車事故の増加により各自治体で自転車保険の加入を義務付ける動きが出ています。どういった保険に入る必要があるか、今後の予想される流れなどを弁護士が解説します。
2017年9月22日 加藤 豊さん
不動産コンサルタント
解決!アスクミー JIJICO
マンション管理をどう見抜く?購入前の確認と管理会社の選び方
資産価値にも大きな影響を与えるマンション管理。購入前のチェックポイントと、購入後の管理会社の選び方、所有者としてのあるべき姿勢とは?
2017年9月21日 城戸 景子さん
イメージコンサルタント・マナー講師
解決!アスクミー JIJICO
第一印象の重要性。第一印象はたった7秒で決まる?
第一印象の重要性が注目されて久しいが、第一印象に大きく影響するのは見た目です。良い印象を与える見た目作りを2つのステップで考えましょう。
2017年9月21日 田沢 剛さん
弁護士
解決!アスクミー JIJICO
衆議院解散権は誰の権限?大義は必要?
衆議院解散の際は、そこに大義があるのか否かを含めてこれまでの政権の有り方が問われ、あるいは今後の我が国のあり方を占う重大な選挙となることは間違いありません。

テーマ