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田川 考作さん

眼科医

失明の危機!?日本でも増加する「加齢黄斑変性」の原因と予防策

2015年10月10日

日本においても急増する「加齢黄斑変性」

日本でも増加する「加齢黄斑変性」の原因と予防策加齢黄斑変性は、文字通り年齢を重ねる加齢により網膜の中心部である黄斑に障害が生じ、見ようとするところが見えにくくなる病気です。欧米では成人の失明原因第1位、日本でも以前は少なかったものの、人口の高齢化と生活の欧米化により近年著しく増加し、失明原因の第4位となっています。50歳以上の人の約1%に見られ、高齢になるほど患者数も増加していきます。

また、加齢黄斑変性には、滲出(しんしゅつ)型と萎縮型とがあります。滲出型は、黄斑に異常血管が生えてくるものです。異常血管から簡単に出血したり血液中の水分が染み出たりするため、黄斑の機能は急速に悪化します。一方、萎縮型は徐々に悪化していきます。

治療しなければ多くの患者が視力0.1以下にまで低下

代表的な症状は変視症と呼ばれ、網膜の腫れや網膜の下に液体が溜まり網膜が歪むことで起こります。黄斑部は障害されますが、周辺部は障害されていないため、中心部はゆがんで見えますが、周辺部は正しく見えます

さらに、黄斑部の網膜が障害されれば、真ん中が見えなくなり(中心暗点)、視力も低下します。通常、視力低下は徐々に進行し、治療しなければ多くの患者の視力が0.1以下になります。萎縮型と滲出型を比べると、滲出型の進行が早く、視力悪化も重症化します。結果、「見たいところがよく見えない」「書けない」「読めない」状態になってしまいます。

喫煙、太陽光、食生活の偏りなどが危険因子に

加齢黄斑変性は加齢が主な原因となりますが、前述のように高齢者全員がなるわけではありません。遺伝的要素も原因となりますが、遺伝する力は弱く、責任遺伝子はまだはっきりわかっていません。今までに明らかにされた危険因子は喫煙、太陽光による酸化ストレス、食生活の偏りです。

そのため、予防という観点では、日常生活における危険因子を取り除くことが大切です。喫煙している人はしていない人に比べ、加齢黄斑変性になる危険性が高いことが数多くの研究で明らかになっています。喫煙は、血液中にある酸化ストレスを抑える物質を壊します。喫煙している人には禁煙を勧めますが、禁煙の効果が出るのには10年程度かかると言われています。

食生活の改善やサプリメントの摂取が必要

太陽光の中の青色光によって視細胞が酸化して傷むことが、黄斑の老化に関係します。太陽の光は避けるようにし、屋外では帽子をかぶり、サングラスをかけましょう。また、緑黄色野菜はサプリメントと同様に加齢黄斑変性の発症を抑えると考えられています。肉中心の食事より、魚中心の食事のほうが良いようです。予防効果のある食品には、ビタミンA、C、E、などの抗酸化ビタミン、ルティン、などのカロテノイド、亜鉛などの抗酸化ミネラル、ω-3多価不飽和脂肪酸などが知られています。これらを多く含む食品をとるようにしましょう。

さらに、滲出型になりやすい前段階所見が黄斑にある人では、大量の抗酸化ビタミン、抗酸化ミネラルからなるサプリメントが滲出型の発病予防に有用だったというデータがあります。ビタミンC、ビタミンE、βカロチン、亜鉛などを含んだサプリメントを飲めば、加齢黄斑変性の発症が少なくなることも分かっています。ただ、加齢黄斑変性の予防に一定の効果はあるでしょうが、完全に抑えることはできません。加齢黄斑変性になっていない人にも勧められますが、一方の目に加齢黄斑変性が発症した人にはサプリメントの内服が強く勧められます。

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