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圓尾 和紀さん

管理栄養士

是か非か?管理栄養士から見た糖質制限ダイエット

2015年11月13日

ダイエット界を席巻する「糖質制限ダイエット」

是か非か?管理栄養士から見た糖質制限ダイエット昔から行われてきた「カロリー制限」に取って代わる勢いで、今、ダイエット界を席巻しているのが「糖質制限ダイエット」です。炭水化物制限ダイエットとも呼ばれるこのダイエット法は、食事の中から糖質(ごはんやパンに含まれているデンプンや果物の果糖、砂糖のスクロースなど)を制限するという方法です。

では、この糖質制限ダイエット、健康的なリスクやデメリットはないのか、栄養管理士からの視点で探ってみたいと思います。

面倒なカロリー計算も不要

まず、糖質制限ダイエットで、なぜ痩せるのかを説明します。糖質を取ると血糖値が上がり、その血糖値を下げようとインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンは糖質を細胞内に取り込み、余分を脂肪として蓄えます。糖質を制限することによって、これを抑えることができます。

さらに、エネルギー源として脂肪を使わせることにより、痩せるというわけです。実践すれば短期間でのダイエット効果が得られると、この食事法を取り入れたプライベートジムも登場し、会員数も好調に伸びているようです。面倒なカロリー計算も不要で、糖質さえ避ければお腹いっぱい食べてもいいという点も人気の理由です。

問題はリバウンドしやすいダイエットということ

では、この糖質制限ダイエット、問題はないのでしょうか。リスクとして考えられるのは、たんぱく質と脂質の過剰摂取です。人間は炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質の3つの栄養素からエネルギーを得ていますが、そのうちの炭水化物を切り捨てるということは、残りのたんぱく質と脂質で必要なエネルギーを賄う必要が生じるということです。たんぱく質の過剰摂取はその処理をしている腎臓に負荷をかけ、脂質の過剰摂取は悪玉コレステロールの増加、ひいては心筋梗塞、脳梗塞のリスクを高めます。

また、糖質制限食を長く行った際の健康への影響は、まだハッキリとわかっていない部分もあります。「糖質は取らなくても大丈夫!」と言い切れるほどの根拠がないのも事実です。そして、もう一つの問題点は、リバウンドしやすいダイエットということです。糖質制限をした後、以前のように糖質を取れば、見事にリバウンドします。糖質制限で痩せた人は、その後も一生糖質制限を続けるほどの覚悟がなければ、いずれ元の体重に戻ってしまいます。

食品によって食べた後の血糖値の上がり具合が変わる

では、糖質制限は良くないのかというと、上記はあくまで厳格な糖質制限の話で、ダイエットを目的にしたプチ糖質制限程度であれば問題はありません。それよりも大事なことが、糖質の量ではなく、質です。低GI食品という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、血糖値を上げにくい食品のことで、同じ糖質であったとしても食品によって食べた後の血糖値の上がり具合が変わってきます。

例えば、白米よりも玄米、うどんよりもそばといったように、精製された穀物よりも精製されていない穀物はGI値が低い傾向にあります。さらに、未精製の穀物はビタミンやミネラルも豊富です。脂肪が燃えるためにも、ビタミンやミネラルの栄養素は必要です。大事なのは、カロリーだけあって栄養素が少ない糖質ではなく、しっかりと栄養素も入った糖質を食べるようにすることです。また、食べ方も重要で、野菜から食べるようにする、早食いをやめてゆっくり食べるようにするだけでも、血糖値の上昇は緩やかになり、脂肪の蓄積を抑えることができます。

糖質制限のメリットだけが取り上げられて広まっていけば、健康被害の可能性はもちろん、ただでさえ減っているお米の消費量にさらなる拍車をかけることになります。食文化と健康は、切っても切り離せないもの。迷った時は、日本人が古来より培ってきた伝統食に立ち戻る考え方を持っていたいものです。

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圓尾 和紀さん
管理栄養士

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