JIJICO

平松 幹夫さん

マナー講師

一流の上司は「去り際」に何を語り、部下を感動させるか

2016年2月24日

部下を感動させる心に残るスピーチのポイント

ママの社会復帰、ブランクを乗り越える備え爽やかな風がそよぐ春の訪れは「別れ」と「出会い」の季節でもあります。あちこちで素敵なシーンが展開されますが、特に職場では年度末になり、異動や退職が集中する時期でもあります。そこで送られる上司として、部下を感動させる心に残るスピーチのポイントに触れてみたいと思います。
33年間ホテルの現場第一線で、数えきれない位の挨拶を聞いてきましたが、聞き手に感動与えるスピーチとはひとえに、話し手の人柄から発信される「心温まるスピーチ」だと痛感しました。それには「感謝・思いやり・優しさ」等が必要です。また、スピーチは話し手が聞き手に対するサービスであり、話し手の感情や考えが聞き手に伝たわらなければ意味ありません。だから「上司の私が話すからよく聞け!」ではなく、「聞いて頂く」という態度が必要です。そして、聞き手は話し手の人間性に興味を示しますが、それを補完するためにも話し方のスキルは必要でしょう。具体的なポイントは下記の通りです。

話の内容について

紋切り型の挨拶調や自慢話ではなく場に相応しい内容で、基本は「お礼」「今後のありかた」「聞き手に対する思いやりの言葉」で構成すればいいでしょう。
○具体的なエピソードを交える。
○美辞麗句より自分の言葉で心を込めて、話しかけるように話す。
○今の寂しい気持ちや、感謝の気持ちを素直に言葉に出す。
○「ありがとう」などの相手をいい気持にする言葉を多く取り込む。

話すときの態度と表情について

雄弁のコツは「一に態度、二に態度、三にも態度」と言われています。聞き手は耳で話を聞きますが、同時にその目はしっかり態度を見ています。
○最初と最後のお辞儀ポイントは、姿勢を正し、手は両脇につけ、聞き手の目を見て、聞き手の足先が見える位頭を下げ、ゆっくり上げる。
○話は口先だけでなく、身体全体でする。
○背筋を伸ばし、頬笑みをお忘れなく。

それ以外に注意する点

「相手と同じ目の高さ」で話すのが話術の基本ですが、これは同じ心の高さにも繋がります。
「寸鉄人を殺す」と言う言葉がありますがその逆もあります。つまり「寸鉄人を活かす」とでもいいましょうか、短い言葉でも人を感動させます。例えば「皆さんと一緒に働けて本当に幸せでした」「皆様のお陰です」等はお勧めです。
聞き手に応じた話し方をして下さい。話の内容に聞き惚れる人もいれば、美しい声や言葉に好感を抱く人もいます。また話し手の迫力に感動する人もいれば、静かに語りかけるのが良い場合があります。加えて、聞き手は話を期待しているか、期待していないか、好感を持たれていないか等を計算して話を進めて下さい。普段から引き出しを沢山用意しておくことが望ましいです。

感動するスピーチは一朝一夕では出来ない

以上は簡単なようですが、一筋縄ではいきません。先ずは人柄を磨き、心を豊かにすることが大切です。
また、去り際、引き際、別れ際等とかく「際」がつく場合は、その人の人格が露見しがちです。かつて日本人は、何事においても「礼に始まり礼に終わる」といわれました。そして礼の本質は「感謝や思いやりの心」を言葉や態度などで具体的に表現したものです。つまり私利私欲に走るのではなく、部下のためにどのように接してきたかが大切です。
それに、去り際を潔く美しく飾りたいと思う「豊かな心」が加味されれば、感動を与える挨拶になるでしょう。

\ この記事をシェアしよう! /

専門家に相談してみよう!

平松 幹夫さん
マナー講師

この専門家について

執筆記事一覧

関連記事&スポンサーリンク

最新記事や今おすすめ記事をお届けします。
解決!アスクミー JIJICOメルマガ

>今すぐ登録する!

「ビジネス」のその他の記事

2019年9月20日 小川芳夫さん
ファシリテーター
企業の生産性向上のためには従業員に焦点を当てるべき理由
従業員体験(Employee Experience)を向上させると生産性が向上するという研究があります。海外企業では、従業員に焦点を当て従業員体験を向上させるケースが増えています。ファシリテーターの観点から、実例を交えて具体的な対応を提案します。
2019年8月30日 小川芳夫さん
ファシリテーター
新入社員の離職防止に役立つファシリテーションとは何か?
新入社員の入社3年以内離職率は一貫して3割から4割程度で推移しています。企業にとっては喫緊の課題ですが、ファシリテーションをうまく活用することで、新入社員の離職防止に役立つかもしれません。
2019年7月10日 堀田周郎さん
ブランディングコンサルタント
今治タオル実習生の不当労働報道から思う。ブランドは誰のもの?
今治タオルを扱う縫製工場で働く技能実習生の劣悪な労働環境が報道され大きな波紋が広がっています。ブランドの所有者は企業、お客さまに加えて従業員、社会のものになりました。貴方にはその認識があるでしょうか?
2019年7月2日 待谷忠孝さん
経営コンサルタント
品質相応の価格で販売出来ないことが引き起こす悪影響を考える
品質の良い商品には相応の開発コストや製造コストがかかっており、必然的に価格は高くなるはずですが、最近では安く提供されるケースも増えています。良い品が安く提供されるのは買い手にとっては良いことですが、果たして良いことばかりなのでしょうか?

テーマ