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河野 晃さん

弁護士

経歴詐称がバレたら会社をクビになるのか?!

2016年4月4日

ショーンK氏が活動自粛に至った経歴詐称の罪とは

 テレビなどのコメンテーターとして活躍していたショーンK氏が自身の経歴を詐称していたことが発覚し、活動を自粛するという騒動に発展しました。
過去にも、経歴の詐称が発覚して議員辞職に追い込まれた国会議員もいましたね。

このように、有名人や公人に対しては厳しい目が向けられる経歴詐称ですが、我々一般人がこれを行った場合にどうなるでしょうか。
今回は、「経歴詐称で入社したけど後でそれがバレた場合、解雇されてしまうのか」というテーマでお話しさせていただきます。

 このテーマ、結論から言うと、答えは一応、「NO」ということになります。
経歴詐称が発覚したからといって必然的に解雇が認められるということにはなりません。
「一応」と断りを入れたのは、解雇される場合も当然あり得るからです。要するに、ケースバイケースということです。

「経歴詐称があらかじめ分かっていれば、その人を採用しなかった」といえるかどうかが、一つの指標になります。
では、その経歴詐称が解雇につながるかどうかにつき、どういった点に着目するべきか考えてみましょう。

経歴詐称の内容・程度によって解雇につながる

一口に「経歴詐称」といっても、その詐称の内容や程度は様々なものが想定されます。
例えば、実際は中卒なのに大卒と偽るケース、実際は大学中退なのに高卒と偽るケース、実際はA大学卒業なのにB大学卒業と偽るケース、職務を遂行するために必要な資格につき実際は持っていないにもかかわらず持っていると偽るケース…。

昨年話題になった、某テレビ局のアナウンサーに内定した女性が、銀座のホステスというアルバイト経歴を隠したというケースも、広い意味での経歴詐称にあたります。
このアナウンサーのケースは最終的に採用となりましたが、こういった、詐称の程度は、解雇されてしまうか否かという判断に際し、重要なものとなります。

業務との関連性が深ければ、経歴詐称は解雇の対象に

 次に着目すべき点は、詐称した経歴と業務の関連性です。
詐称した内容がそれなりに重大でも、それが実際に行う業務と無関係であれば、解雇すべきではないという方向に働くことになるでしょう。

例えば、会社が「学歴不問」として肉体労働者を募集した場合で、大卒の人が中卒と経歴を詐称して採用されたとしましょう。
このケースでは、仮に採用担当者が、実際は大卒であると分かっていたとしても、それを理由に不採用とはされなかっただろうといえます。
そうである以上、経歴詐称が発覚したとしても、それを理由に解雇とすることは不当といえますね。

逆に、会社が「経験者募集」として労働者の募集をかけたケースで、実際は同種の職務経験が無いにもかかわらず、経験者であると偽って採用されたとしましょう。
このケースでは、会社としては同種の職務経験者、つまり即戦力を期待して採用をしている以上、採用時に実際は同種の職務経験がないと分かっていれば採用はされていなかったであろうと考えられますので、後になってこれが詐称であると判明した場合は解雇とされても仕方がないといえそうです。
このように、詐称した経歴と業務との関連性という点は、解雇されるかどうかを検討する上で重要であるといえます。

その他の事情

 経歴詐称が発覚したことが解雇につながるかどうか検討する際には、詐称の内容や程度、その職務との関連性に加え、それ以外の考慮要素も合わせて検討されることがあります。

つまり、①詐称が意図的なものであったかどうか、②これまでの勤務態度・実績、③発覚から解雇に至るまでの経緯など、それこそケースに応じた判断がなされます。これら二次的な事情も解雇されるかどうかを判断するに際しては、無視できません。

採用する側も対策を取っておくことが必要

 採用の際に自分を良く見せようとするのは、ある程度仕方ないともいえます。
だからといって経歴を詐称してもいいということにはなりませんが、採用する側としても、後のトラブルを防ぐ意味でも、経歴の裏付けとなる資料の提供を求めたり、面接時のやり取りをメモ等で残しておくなど、一定の対策はしておいて損は無いと思います。

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