JIJICO

飯塚 和美さん

心理カウンセラー

人見知りではなかった社会不安障害

2016年4月7日

人見知りと間違えられる社会不安障害

誰でも人から注目される事や、知らない人の前で話をするのは緊張するものですが、それが過剰な場合、単なる「人見知り」ではすまされない「社会不安障害」という病気の場合があります。
この病気は、放置すれば症状はどんどんひどくなり、恐怖から不登校、仕事が出来なくなる、全く外出できないなどとエスカレートしてしまいます。

実際に注目を浴びる場所だけでなく、人との日常的な雑談でさえも本人が「注目されている」と感じる場合、過剰な緊張や恐怖が生じてしまいます。本人にとっては強い苦痛となります。

単なる人見知りと社会不安障害の違い

・正常な人見知り
恥ずかしさを感じても次第に慣れ、人と比べて恥ずかしさが強いという自覚はありません。不安を感じても強い身体症状も現れません。
恥ずかしいと思っても注目される場所などへの参加も出来、日常生活に大きな影響はありません。

・社会不安障害(10代半ばから20代前半で発症することが多く、性別では男性より女性の方が多いと言われています)
人前に出るなどの決まった状況では常に不安を覚え、人より羞恥心や不安感などが強いと自覚しています。
そして不安を覚えると、強い赤面や震え、吐き気などの身体症状が出るため、不安に感じる場所に行くのを避けてしまい、日常生活にも支障をきたします。

この病気を放置していると、症状は徐々に悪化し、恐怖を感じる場所への回避行動も増えていきます。
出来る事がだんだん狭まり自分に対する自己評価も低くなるという悪循環に陥ります。
その評価が低くなりすぎると「生きている価値がない」と思い、自殺といった最悪のケースに至る事もあります。

社会不安障害を改善する方法

社会不安障害の根本にあるのは「不安」、「他人から否定的な評価を受けるのが怖い」のが本質です。
生活習慣を見直し、不安材料を出来るだけ取り除きましょう。

・十分な睡眠、栄養に気を付けて規則正しい生活を心がけましょう。
睡眠不足や栄養の偏りが続くとマイナス思考になったり、怒りやすくなったり、精神的に不安定になりやすく不安な気持ちが高まります。昼夜逆転の生活や夜更かしはなるべく避けて1日3食、バランスの良い食事を出来る範囲で心がけましょう。目覚めたら日光を浴びる事も脳の覚醒に有効です。

・運動不足を改善しましょう
 適度に体を動かすのは、前向きな心を作るのに大切です。睡眠の質を上げるのにも役立ち、不安や恐怖の改善に貢献します。

・過剰なアルコールはやめましょう
 過剰にアルコールを摂取すると精神状態は不安定になります。

・過剰なストレスをためないようにしましょう
 過剰なストレスは、不安や恐怖を感じやすくします。少しでも軽減できるように工夫してみましょう。 

緊張するのは「良くなりたい」という気持ちの表れで人間らしい心の反応です。
緊張を「良くないもの」と思わずに「そのままの自分」を受け入れてみましょう。  

人と会話する時も「どう思われるか」を心配するより、大切なのは「相手の話を聞く事」です。人は話をちゃんと聞いてもらえたらそれだけで嬉しいものです。

社会不安障害の克服には周りの人の協力が不可欠

社会不安障害は性格の問題ではなく病気です。一人で悩まず早めに専門機関の受診をお勧めします。

周囲の方も、当人が「こんなに緊張するのは異常だ」「こんなことで怖いと思うのはおかしい」と自分の緊張や恐怖が他の人より強い事を知りながら改善できない事に苦しんでいるのを理解してください。

周りから理解されにくいため孤独になりやすいのがこの病気の特徴です。不安や恐怖を感じている事に耳を傾けてください。
回避行動も好きでしているわけではありません。「頑張れ」などの励ましは負担になります。
落ち込んでいる時に無理に外出させる事も避けましょう。 

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飯塚 和美さん
心理カウンセラー

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