JIJICO

明石 久美さん

ファイナンシャルプランナー

身内の突然の不幸で予期せぬ出費も どのような備えが必要?

2016年7月2日

死亡後すぐにかかるお金をどうするのか

親や配偶者が死亡した直後からかかる費用について、考えたことがあるでしょうか。
病院で死亡した場合には医療費の支払い、葬儀でかかるお布施や葬儀費用、納骨や四十九日の法要費用などが、死亡して1,2カ月の間に必要になります。

そして、この費用を「誰が」、「どこから」支払うのかが問題です。故人の口座から下せばいい、立て替えておいてあとで遺産からもらえばいいなど、故人の財産を当てにしている人が多いようですが、必ずしも故人の財産でまかなえるとは限りません。

仮に、財産管理をしていた遺族が暗証番号を知っているからと、故人の預貯金口座からお金を下ろすと、のちに相続人間で争いになる可能性があります。

そもそも、勝手にお金をおろして良いわけではありません。
もし葬儀費用などを故人の預貯金口座から下したい場合には、相続人全員に合意をもらったうえで、葬儀関連費用程度のお金を下ろすにとどめるべきです。

このときに、もし相続放棄をする意思がある場合、その人は念のため下ろすのはやめましょう。
相続放棄に支障を来す可能性があるからです。
また、費用相当分を下ろすにしても、1日の引き出し限度額がありますから、数日にわたって下ろさなければならこともあります。

では、遺族が一度支払い、財産を分けるときに立て替え分をもらうつもりの場合はどうでしょう。
この場合、遺産を分けるときに他の相続人が反対したら取り戻せません。
ですから、事前に遺産から精算してよいか相続人に確認をとったうえで立て替えるべきです。

銀行口座が凍結してしまったらどうするのか

本人の死亡を金融機関が知ると、預貯金口座が凍結されます。
そのタイミングは定かではありませんが、新聞のお悔やみ欄、町内会の掲示板、近隣の人から、遺族からなど、金融機関が知ったときに預貯金口座の引き出しができなくなります。
市区町村役場に死亡届が提出されたら口座が凍結するわけではありませんから、金融機関が死亡事実を知らなければ、ずっと口座は使える状態のままです。

この預貯金口座が凍結されてまったときには、相続人全員で手続きを行わなければなりません。
遺産分割協議書(話合いで決めた遺産の分け方を記したもの)や、金融機関所定の用紙(払い戻し請求書等)に、相続人全員の署名や印鑑証明書の添付をするなどして行います。
もし遺産の分け方でもめてしまうと、手続きに時間がかかってしまいます。

なお、金融機関によっては、葬儀の請求書や寺院等から発行してもらったお布施の領収書で、凍結後でも引き出しが認められる場合があります。

もしものために事前に考えておきたいこと

死亡後に必ずかかるお金が一体どの程度になるのか、その費用をどうするのかを考えておくことが大切です。
例えば葬儀なら、葬儀社に行って見積書を作成してもらえば大まかな費用がわかりますし、菩提寺があるなら、お布施について聞いたり調べたりしてみることもできます。

また、お墓がない、遠くのお墓を近くに移転するなどの場合にもお金がかかります。
1周忌法要や新盆などもすぐに行うできごとですし、遺品整理業者に物の処分を依頼するならその費用も考えておかなければなりません。

大まかな金額がわかれば、死亡保険金や遺言書などで、ある程度渡すことも可能です。
事前に家族間で話し合えれば、不本意な思いをせずに済むかもしれません。

まずは、費用がどの程度かかりそうなのか、誰が負担するのか、どこから支出するのかについて考え、準備しておきたいものです。

このコラムを書いた専門家に質問できます

明石 久美さん
ファイナンシャルプランナー

無料で相談してみる

「お金」のその他の記事

2017年7月23日 河野 晃さん
弁護士
共謀罪法施行 準備行為の規定があいまいで企業活動委縮の懸念
組織犯罪処罰改正法が施行されました。同法の改正については、日弁連をはじめ各種団体、学者らからの反対がありましたが、実際の運用はどうなるのでしょうか。
2017年7月23日 平松 幹夫さん
マナー講師
知らず知らずのうちにマナー違反?最低知っておきたい食事時のマナー
日本人は食の安心・安全には敏感ですが「心を通わせて食べる」ことは苦手なようです。最低知っておきたい食事時のマナーについて解説します。
2017年7月22日 清水 泰志さん
経営コンサルタント
全成人に月8万円配布の提言が話題に。ベーシックインカムの利点と問題点
ベーシックインカムは企業中心の社会保障制度への代替案という意味だけではなく、人間の生存権をどう考えるかという理念的課題を含んでいます。
2017年7月21日 影山 正伸さん
社会保険労務士
東京都で時差BIZキャンペーン開始!通勤ラッシュ緩和につながるか?
東京都は7月11日から25日まで、通勤ラッシュ緩和のため「時差BIZ」キャンペーンを始めました。企業の多様性の受容が必要ですが、定着するでしょうか?
2017年7月20日 長谷川 満さん
家庭教師派遣
小中学生の親必見!夏休みの宿題は親子で楽しもう!
子どもたちにとって待ちに待った夏休みですが、忘れてはいけないのが大量の宿題。でも、工夫次第で子どもの成長につながる貴重な体験に繋がります。
2017年7月20日 大西 勝也さん
内科医
大流行の手足口病!大人にも感染するの?
手足口病が今年も大流行の兆しを見せています。手足口病はウイルス感染症で、乳幼児を中心に流行しますが、大人に感染することも。注意すべきポイントは?
2017年7月19日 目代 純平さん
ITコンサルティング、ITコンシェルジュ
ACジャパンの桃太郎CMが話題に!ネット上でのマナーをあらためて考える
桃太郎の物語を題材に「ネット炎上」の惨状を描いた公共広告が話題になっています。多くの人がネットを使うようになった今日、みんなが気持ちよくネットを使うためにはどんな配慮が必要か、考えてみたいと思います。
2017年7月19日 五十嵐 かほるさん
イメージコンサルタント・ファッションプロデューサー
本格的な夏到来 加齢臭の10倍臭いと言われるミドル脂臭にご注意を!
「オトコ臭?」「ミドル脂臭?」体臭に気を配る男性へ!良い汗をかくことや食生活で「汗腺機能」を高めることに注力も!そして、一人で気にしていないで社内全員での臭い対策も提案してみては?

JIJICOメルマガを受け取りますか?

> 受け取る

テーマ