JIJICO

末次 祐治さん

ファイナンシャルプランナー

子供の教育資金準備と家計のやりくり管理について

2016年10月31日

子供が生まれたら教育資金を準備?

一般的な家庭では子供が生まれたら、まず教育資金を準備しようと考えるかと思います。
その代表が学資保険です。
保険会社がこども保険という商品で販売しており、基本は18歳満期の保険で大学入学資金を主に準備する商品として人気です。
また、最近では親の死亡保障を確保しながら、必要な時期にいつでも引き出せるタイプの低解約型終身保険を使った商品も人気があります。
この低解約型終身保険は、元本割れする可能性のある学資保険の代替え案として、親の死亡保障、教育資金に使わなかったら親(契約者)の老後資金にもなりうるということなどのメリットがあり、払い込み終了すれば元本割れはないとの理由で採用している家庭も多いかと思います。

教育資金を準備する手段としては、保険商品が中心にはなっていますが、あくまでも満期まで払い続けることで当初の計画の資金が準備できるわけで、途中様々な事情で保険料が払えなくなったりすれば予定していた教育資金の準備ができなくなる可能性もあります。

よってお子様が生まれた場合には、保険商品の検討ではなく家計の見直しに、まずは集中すべきかと思います。
収入と支出のバランスをみてライフプランの見直しをすることで、より適正な商品選択にも貢献してくれます。

また、積み立て方としては月に払える金額を設定する方法が一般的ですが、将来必要な教育資金から、逆算して月の積立金額を求める、いわゆるファイナンシャルゴールを決めて準備していく方が教育資金にお金を費やす目的がより強くなります。
この方法ですと、なぜこの金額が必要か?という教育資金準備のモチベーションが上がり、外食費や娯楽費などの他の費用を無駄遣いしない効果もあります。

教育資金準備の考え方の王道は?

必要な教育資金を見積もって、必要な時期までに準備をしていくことが親としては求められますが、その必要な見積もりが曖昧だと目標には辿り着きづらい面もあります。
また、年収が多い家庭が余裕をもって準備できるかといえば必ずしもそうではありません。
年収が多い家庭になれば一般的に支出の金額も比例して多くなります。
年収が多い少ないに関わらず、積立期間中の色々な事情で毎月の積立金額がストップしたり払えなくなったりするケースが出てくるのです。

このように年収が多いか否かではなく、教育資金というファイナンシャルゴールに辿り着く100%確実な方法はありませんが、やはり考え方の王道としては収入―支出=教育資金積立ではなく、収入―教育資金積立=支出 という勝利の方程式を実行できることが確実に教育資金を貯めていく方法でしょう。
さらに、収入―教育資金積立=支出 のこの支出金額の多い少ないかが重要ではなく、この金額がその家庭の実際に今の生活レベルの偏差値であるという意識が教育資金を貯めるという意味では実はより重要なことなのです。

教育資金準備の家族での共有化

積立期間中に色々な事情で想定していた準備ができないときもあるかと思います。
親として子供が小さい時はあまり気にならないでしょうが、小学校高学年くらいになれば、家計のお金でもめたりすると子供も当然状況を把握しますので、教育上はいいこととはいえません。
しかし、現実的には色々な状況が起こりうるわけで、計画的な資金準備が進まず、進学を断念したり進路を変更したりと子供の意志ではなく、お金の問題でそうなるのは親として避けたいことです。

そこで、計画的な資金準備が必要になるのですが、仮に教育資金準備が当初の予定と変化してきた場合は、あくまでも親の判断にはなりますが、子供を交えての家計の作戦会議をするのは、子供にとっては有効なお金の教育につながるのではと思います。
「教育にはこれだけのお金がかかる」という意味で家族での共有をすれば、結果子供にとってもなぜこの大学に行くのか?という目的意識がより強くなり、今まで以上に本気度が増し、結果的には子供自身の自立心の育成につながる効果が期待できるかと思います。

このコラムを書いた専門家に質問できます

末次 祐治さん
ファイナンシャルプランナー

無料で相談してみる

「くらし」のその他の記事

2017年7月26日 家田佳代子さん
コンサルタント
2020年に向けて どうやって乗り越える?テレワーク
2020年に向けて、テレワーク・デイという試みが始まりましたが、浸透には程遠い状況です。テレワークの実現に企業がすべきこととは?
2017年7月25日 小倉 越子さん
社会保険労務士
残業代ゼロ法案は働き方をどのように変えていくのか?
「残業代ゼロ法案」とは?「高度プロフェッショナル」とは?意味を正しく理解し適正な労務管理を行わなくては、残業代ゼロ社会は実現しないでしょう。
2017年7月25日 杉山 夏子さん
ファイナンシャルプランナー
賃貸アパートで大家さん業?それとも現金で持つ?相続対策のあり方
相続税対策として賃貸アパート経営を選ぶ人が増えていますが、現金で持っているよりも有効なのでしょうか?専門家が解説します。
2017年7月24日 林 朋寛さん
弁護士
刑法改正で性犯罪が厳罰化へ 性犯罪は減少するのか?
「強姦罪」から「強制性交等罪」に変更、厳罰化、「監護者わいせつ罪」「監護者性交等罪」の新設、起訴は被害者等の告訴不要に。しかし、課題や問題も。
2017年7月23日 河野 晃さん
弁護士
共謀罪法施行 準備行為の規定があいまいで企業活動委縮の懸念
組織犯罪処罰改正法が施行されました。同法の改正については、日弁連をはじめ各種団体、学者らからの反対がありましたが、実際の運用はどうなるのでしょうか。
2017年7月23日 平松 幹夫さん
マナー講師
知らず知らずのうちにマナー違反?最低限知っておきたい食事時のマナー
日本人は食の安心・安全には敏感ですが「心を通わせて食べる」ことは苦手なようです。最低知っておきたい食事時のマナーについて解説します。
2017年7月22日 清水 泰志さん
経営コンサルタント
全成人に月8万円配布の提言が話題に。ベーシックインカムの利点と問題点
ベーシックインカムは企業中心の社会保障制度への代替案という意味だけではなく、人間の生存権をどう考えるかという理念的課題を含んでいます。
2017年7月21日 影山 正伸さん
社会保険労務士
東京都で時差BIZキャンペーン開始!通勤ラッシュ緩和につながるか?
東京都は7月11日から25日まで、通勤ラッシュ緩和のため「時差BIZ」キャンペーンを始めました。企業の多様性の受容が必要ですが、定着するでしょうか?

JIJICOメルマガを受け取りますか?

> 受け取る

テーマ