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永野 海さん

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小泉進次郎氏ら若手議員による提言「人生100年時代の社会保障」とは

2017年1月24日

人生100年時代の社会保障とは?

親の収入により生じる教育格差、借金を背負い社会に出る子どもたち小泉進次郎氏ら若手議員による小委員会が、昨年10月、「人生100年時代の社会保障へ」と題する提言をまとめました。
小泉氏によれば、現行の社会保障制度では昨今の国民の多様な生き方に対応できないとする危機感などがその背景にあるようです。
この提言は、勤労者皆社会保険制度、人生100年型年金、健康ゴールド免許と題された3つの柱で構成されています。
要するに、少子高齢化時代でも持続可能な社会保障制度を構築する観点からの政策提言です。
これらの文字面だけをみると、非正規社員も全員が社会保険制度に加入できるように、破綻しない年金制度、健康管理に努力した人は医療費の自己負担割合を減らす、など耳障りの良い言葉が並びます。

耳障りの良い言葉が並ぶ提言の背後に潜むリスク

現時点では制度の具体的な中身がそこまでつめられていないことには留意する必要があるものの、その提言の中身をみてみると、提言の背後に潜むリスクが目につきます。
たとえば、「雇用を守る」のではなく「人を守る」発想への転換が必要とし、終身雇用ではなくより解雇をしやすくなる制度への変革が必要との考えが述べられています。

今回の提言の全体設計としては、企業にとって解雇しやすい法制度を整える一方で、労働者のスキルアップや再就職支援に力を入れ、労働市場の流動性を高め、これによりはじかれた労働者は皆保険制度などによるセーフティーネットでカバーするという発想と思われます。
これは、制度設計としては1つの在り方だとは思いますが、この手の政策は、得てして企業にとって利となる解雇しやすい法制度だけが残り、セーフティーネットの議論は先送りになったり、労働者のスキルアップについても理念ばかりでほとんど機能しないといった展開を辿りがちなことも事実です。

また、人生100年型年金とか、多様な生き方に即した年金制度といった言葉も、何となくわかったような気になる言葉ですが、結局は、終わってみれば単に年金の支給対象者を減少させたり、支給開始年齢を引き上げるだけの制度になるのではないかという不安を感じます。
健康ゴールド免許についても同様です。
言葉の響きはよいのですが、結局は、社会保障費を削減し、医療費に関する国民負担率を上げたいという政府の本音が透けて見えます。

国民一人一人も社会保障について真剣に考えていくことが重要

とはいえ、こうして提言の批判ばかりしていても何も解決しないのも現在の日本社会。
この提言の中でも、痛みが伴う改革から逃げてはならないとしっかりと明言しているとおり、労働人口が減少しているにもかかわらず、社会保障費がかかる高齢者が増え続けている我が国では、何かを得るためには何かを犠牲にしなければならないのも事実です。
現在の日本の現状に鑑みれば、単に、高福祉高負担と低福祉低負担という大きな政府小さな政府という選択をすればよいという単純な問題ではなく、少子高齢化の中でデフレから脱却できない日本経済の持続的な成長・発展をいかに実現するのかという極めて難しい問題への解決策まで提示することが不可欠です。

そうした意味では、今回の提言は、有権者の反発が容易に予想できる解雇規制の緩和や、軽微な疾病は自己負担と明言するほどの社会保障費の現実的な削減案といったものにまで踏み込もうとしている点で、有権者に真剣な議論を促す意味では評価できる側面もあります。
前述したようなこの手の政策提言が持つリスクを十分に念頭においた上で、今後活発な議論が国民一人一人の間でなされることはとても重要なことです。

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