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山口 里美さん

司法書士

中尾彬、池波志乃が語る終活が話題に

2017年3月23日

2人がどんな終活を行っているか?

おしどり夫婦として知られる、74歳の中尾彬さんと、62歳の池波志乃さんが“終活”について考えたきかっけは、2007年に中尾さんが急性肺炎から多臓器不全になったことだそうです。
子供のない2人には、とても大切な問題でした。

具体的には、①沖縄と千葉にあったアトリエや絵画などを処分、②2人の写真1万点を焼却処分、③葬式をやらないことを決定、④お墓を自分でつくる、の4つを実行されました。
志乃さんは、「邪魔な死体のやり場に困ったら迷惑をかける」と延命治療も拒否、中尾さんも「本人がいなければ意味がない」と死去後のしのぶ会の開催も拒否されています。

いつから始める終活?

「終活はいつから始めるのが良いですか?」とのご質問をよく受けますが、答えは「思い立った時」です。
「最近、身体が以前のように動かなくなったなあ」、「災害の映像を見ると、何かやっておかなくちゃいけないなあ」等と、うっすら感じられた時こそがタイミングなのです。

具体的に終活とは、身の回りのモノを処分して整理する、生前贈与などの契約を行う、遺言を書く、民事信託等の契約を行う、任意後見や任意代理の契約を行うなどが考えられますが、全てに共通するのは、主人公の「意思能力」が必要だということ。
認知症を発症、病気や事故で高度障害となるなどして「判断能力」が衰えてしまうと、先に掲げた行為の全てを行うことはできません。
手遅れになってしまうのです。

司法書士として仕事をする中で、本人が認知症を患ってしまってから、その親族から「この財産を移転したい」「遺言を書いて欲しい」などというご相談を受けますが、もう、手段はありません。
財産管理としては硬直的な、法定後見制度をおすすめすることくらいです。
だからこそ、そろそろかなと感じた時に、終活に取り組んでいただきたいと切に思います。

何から始める終活?

終活の中でも、最も取り組みやすいことは、身の回りのモノを片づけることです。
高齢になると、モノにつまづいて転倒し、骨折したことがきっかけで長期入院となり、認知症を発症する方が激増します。
災害や火事で緊急避難することにも備えて、家の玄関周り、廊下、ベランダの前のモノを処分する、片づけることは、安心・安全な生活のための備えとなります。
持ち主がいなくなったモノは、結局は遺品整理されることとなり、相続人に心理的、経済的、身体的に非常に負担を強いることとなります。

次に、エンディングノート、リレーションノート等を活用し、自分の財産をまとめ、緊急連絡先、自分の想いなどを整理します。
その作業の中で、例えば、保険の受取人を変更していなかった、不動産の名義を変え忘れていたなどの気づきがあり、やらねばならないことを発見することが多々あります。
財産を生前に贈与するのも、相続税対策に取り組むのもこのタイミングです。
「自分の財産を自分が望む人に引き継ぐ」ことは、判断能力がある間でしかすることができません。
財産や緊急連絡先をまとめておくことは、相続人の争いごとを防ぎ、万が一のときにも、迷惑をかけることが少なくなります。

モノと心の整理をすると、「自分がどうありたいのか、この先どう生きたいのか」が見えてきますから、中尾夫妻の様に、「延命治療をしない」「葬儀もしのぶ会もしない」「こんな墓にはいりたい」等と、更に具体的なことが決まってきます。

一度、人生の終わりを考えてみることにより、実は心が晴れ晴れとし、次の目標が見つかる方が多いです。
「終活」とは、結局は残された人生をどう生きるのかを自分で決めることです。
人生をどう生きて、どう終えるのかも自分で決める。
最後まで私らしくありたい方が、終活の大切さに気付きはじめたのだと思います。

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山口 里美さん
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