JIJICO

大竹 光明さん

社会保険労務士

インターンシップで学生囲い込み?就活前のめりの実態について

2017年7月1日

インターンシップが本格化

7月に入ると、大学3年生を対象とした企業のインターンシップが本格化します。
インターンシップとは、学生が一定期間企業で働いて職業経験を積むことです。
企業の中に入ってみることで、実際に働くイメージを持つことができますし、その業種にはどんな知識・技術が必要なのかが分かります。

企業のホームページやパンフレットだけでは分からない“リアル”を体験できるので、就職を控えた学生にとっては貴重な制度と言えるでしょう。

様々なインターンシップ

一言にインターンシップといっても、様々な形式のものがあります。期間も1日だけのものから数か月に渡るもの、セミナー型や見学型のものなど、企業も工夫を凝らしたインターンシップ制度を展開しています。
とりあえずどんな会社か知りたいという学生には、短期のものやセミナー型などが気軽に参加できます。
本格的な経験を積むためには、ある程度長い期間で、実際に仕事が体験できるインターンシップの方が良いでしょう。

学生囲い込みの様相も

しかし、少子高齢化による人材不足のため、近頃の学生向けのインターンシップは『学生囲い込み』の様相も呈してきているようです。
企業がインターンシップを実施する目的は、早い段階から学生と接点を持ち、自社に合いそうな人材に目星を付けてアピールするためです。
経団連が発表した2019年卒業見込みの学生に対する就職活動解禁日は、選考活動が来年2018年6月1日からとなっています。
大学3年生向けのインターンシップは実質今年の6月からスタートしているので、企業としては約1年前倒しで学生とコンタクトを取ることができる形になります。

インターンシップは内定につながりやすい

先述のとおり、企業もインターンシップは採用を念頭に実施しています。
インターンシップに参加することで学生にとっては経験を積むだけでなく、自分をアピールできる場を確保することになるのです。
特に、内定に繋がりやすいと言われているインターンシップでは、エントリー段階から就職活動本番並みに書類選考や面接選考が実施されています。
人気大手企業ではインターンシップ募集に対して高い競争率になるところもあるようです。
ここまでくると、就職活動が1年前のめりで実施されているといっても過言ではありません。

昨今の学生の安定志向により、大手企業に学生の人気が集中するため、インターンシップに訪れた優秀な人材を先に大手企業が青田買いしてしまう可能性が高くなります。
インターンシップから内定への流れが加速すれば、中小企業の新卒採用はますます厳しいものになるかもしれません。

チャレンジ可能期間増加と学業圧迫の懸念と

学生にしてみれば、就職活動ができる期間が増えたとも言えます。
インターンシップに応募して内定をもらう、就職活動本番で内定をもらうといったように、チャレンジできる機会が増えたと考えて、積極的に制度を利用してみるのもいいでしょう。
ただ、就活が実質前のめりになることで、学生の本分である学業が疎かになったりしないようにと願わざるを得ません。
インターンシップは、イコール就職活動ではありません。
「職業経験」という本来の意味を忘れず、自分に合う職業を選択するツールとして活用してください。

専門家に相談してみよう!

大竹 光明さん
社会保険労務士

この専門家について

執筆記事一覧

最新記事や今おすすめ記事をお届けします。
解決!アスクミー JIJICOメルマガ

>今すぐ登録する!

「ビジネス」のその他の記事

2017年11月23日 加藤 豊さん
不動産コンサルタント
解決!アスクミー JIJICO
効率化だけじゃない。取引の安全性を飛躍的に高める「不動産テック」
不動産とテクノロジーを融合した「不動産テック」。利便性を高めるだけでなく、取引の安全性を大きく向上させる効果が期待されています。
2017年11月22日 麻野 祐香さん
心理カウンセラー
解決!アスクミー JIJICO
いい夫婦の日 理想の夫婦に近づくための心得
結婚生活が続くとお互いの存在が当たり前になり、恋愛とは全く違う感情で相手を見るようになります。お互いを大切に思えるようにもう一度関係を見直してみましょう。
2017年11月22日 内藤 明亜さん
経営危機コンサルタント
解決!アスクミー JIJICO
『幸楽苑』が『いきなり!ステーキ』のフランチャイジーになった意味とは?
飲食業で店舗の無限拡大を効率的に展開するには、ロイヤリティの出費リスクがあってもフランチャイジーになる道が選ばれている。
2017年11月21日 半田 望さん
弁護士
解決!アスクミー JIJICO
「あおり運転」での事故は危険運転致死傷罪になるか?
近時、あおり運転や無謀運転の結果、悲惨な事故が相次いでいますが、このような事故について法定刑が重い「危険運転致死傷罪」の適用を巡って議論がなされています。そこで、危険運転致死傷罪がどのような要件で適用されるのか考察します。

テーマ