JIJICO

影山 正伸さん

社会保険労務士

政府主導の「休み方改革」は定着するか?

2017年8月16日

解決!アスクミー JIJICO

大手企業中心に休み方改革の乗り出すところも

2017年6月、政府は休み方改革に乗り出すと発表しました。

政府発表の前から、大手企業を中心に既に休み方改革に乗り出しているところも多くあります。セブン&アイホールディングスでは、主要8社で部署ごとに一斉休業を促すよう通知を出しました。部署ごとに閑散期などを考慮して休業日を自由に決められる制度です。引っ越し大手のアートコーポレーションでは、業界としては初めて全社員が休む、いわゆる定休日を年間30日確保するとのことです。これら大手企業については、人手不足から労働条件を改善して、離職率の低下や新卒採用で有利にしたいという思惑が働いています。

政府の提唱している「休み方改革」とは?

政府は、有給休暇取得率48.7%を2020年までに70%へ引き上げたいという目標を掲げています。そのために提唱する「休み方改革」は、子どもの夏休みを1週間程度短くして、その分、各地域ごとの特性を活かし、例えば県民の日の休日などの前後にそれを振り分け、「子どもと向き合う時間を確保」してもらうために、各企業において有給休暇の取得促進を図るというものです。いわゆるキッズウィークの創設です。

そうすることによって、旅行業界などのレジャー産業が年間を通じて利益を出しやすくなったり、お盆やGWなど料金の高い時期以外の比較的安い時期に旅行に行けるなどのメリットもある、ということですが、果たして定着するのでしょうか?

有給休暇の取得を促進するだけでは難しい

企業に対して、あくまで有給休暇の取得促進に依存する制度ですから、経営者の考え方や生産性の向上、各人が抱えている仕事のたこつぼ化(その人しかわからない状態)を防ぐなど、課題を解決しないとなかなか休暇を取りづらいでしょう。

2010年に行われた有給休暇の分散化に対するアンケートでは、労働者側からも有休を取得することで、「企業の活動に支障が生じる」「逆に仕事が休めなくなる」「結局家でゆっくり過ごす」など否定的な意見の方が多かったようです。経営者と労働者で、意見をすりあわせ有休を取得しやすい環境を作っていかなければ、政府のかけ声だけではなかなか制度の定着は難しいでしょう。ある程度、有休取得の仕方などについて政府の方で強制力のあるような制度にしていく必要があるかもしれません。

現にプレミアムフライデー(月末最終金曜日を15時に退社)も、サービス業を中心に期待していた企業もあったようですが、ほとんどその効果は表れていないようです。

専門家に相談してみよう!

影山 正伸さん
社会保険労務士

この専門家について

執筆記事一覧

最新記事や今おすすめ記事をお届けします。
解決!アスクミー JIJICOメルマガ

>今すぐ登録する!

「くらし」のその他の記事

2017年9月21日 城戸 景子さん
イメージコンサルタント・マナー講師
解決!アスクミー JIJICO
第一印象の重要性。第一印象はたった7秒で決まる?
第一印象の重要性が注目されて久しいが、第一印象に大きく影響するのは見た目です。良い印象を与える見た目作りを2つのステップで考えましょう。
2017年9月21日 田沢 剛さん
弁護士
解決!アスクミー JIJICO
衆議院解散権は誰の権限?大義は必要?
衆議院解散の際は、そこに大義があるのか否かを含めてこれまでの政権の有り方が問われ、あるいは今後の我が国のあり方を占う重大な選挙となることは間違いありません。
2017年9月20日 小田原 漂情さん
塾教師、歌人・小説家
解決!アスクミー JIJICO
作文で得られる力とは?「つまずき」と家庭での対策について
作文は「自ら考え、整理し、表現する」力を養う、子どもには欠かせないものですが、途中できらいになってしまう子も。作文指導や家庭でのサポートを専門家が解説。
2017年9月19日 折本 徹さん
行政書士
解決!アスクミー JIJICO
日本は本当に外国人労働者に依存しているのか?
人手不足の解消に「外国人雇用」を考えている企業も増えてきているようです。一方、外国人労働者への依存の懸念も。果たして、現在依存状態にあるのでしょうか?

テーマ