JIJICO

河野 晃さん

弁護士

政務活動費はなぜ無くならないのか

2017年9月8日

解決!アスクミー JIJICO

政務活動費とは?

元SPEEDの今井絵理子議員と浮名を流した「ハシケン」こと、神戸市議会議員の橋本健氏が議員辞職することになりました。理由は、政務活動費の不正使用疑惑を週刊誌にすっぱ抜かれたためです。

「政務活動費」とは、地方議員の調査研究その他の活動に資するために必要な経費の一部として交付されるお金です。要するに、地方議員がその政治活動をするうえで必要な経費を税金から払ってくれるシステムのことをいいます。例えば、サラリーマンが取引先との接待に要した飲食代を会社から払ってもらったりするケースがあると思いますが、それの地方議員版ということです。

号泣議員として一世を風靡した野々村竜太郎元兵庫県議が起こした問題も、この政務活動費の不正利用でした。あれだけ大問題となり、野々村元県議にいたっては起訴され、詐欺等の罪で有罪判決を受けるまでになっているにも関わらず、この政務活動費の不正利用の問題はなぜ無くならないのか。個人的には不思議で仕方ありません。そこで、親しくしている地方議員さんに色々とお話を聞かせてもらい、政務活動費の不正利用について勉強させていただきました。

政務活動費は先に支払われている

まず、あまり知られていないことかもしれませんが、多くの自治体で政務活動費は使う使わない関係なしに、先に支払われているということが挙げられます。例えば、橋本市議の所属する神戸市でも、毎月38万円交付、年度ごとに残余金があった場合は返還、というルールになっています(神戸市ホームページ参照)。

これを知って思ったのが、「誰が一回手元に入ったお金を返すねん!」ということです。いや、返さなければいけないというのはもちろんですし、多くの地方議員の方が正当に利用して余ったお金を返しているというのが現実だとは思います。でも、地方議員さんも人間ですもん。返さずに済むなら返したくはないと思うのが普通の感覚ではないでしょうか。ここは兵庫県議会が野々村事件を経て採用している「後払い方式」を全国的にも採用すべきではないかと思います。

また、兵庫県議会では、議員の収支報告書や領収書をHPで公開するようにもしています。このような運用を始めてから、年度末の政務活動費の返還率は3年連続で上昇しているそうです。

兵庫県議会は、3年前、全国に恥をさらしました。その結果、政務活動費に関するルールが厳格となり、今では不正の余地がないほどになっています。返還率の上昇にもみられる通り、制度の運用実態も正常になってきているのではないかと思われます。その他の自治体も、良いところは真似していけば良いのではないでしょうか。

もちろん、議員さん一人一人が誘惑に負けずにルール通り利用してくれさえすれば、このような話にはならないのですが、残念なことに、報道を見る限り、難しいのが現状と言わざるを得ません。

\ この記事をシェアしよう! /

専門家に相談してみよう!

河野 晃さん
弁護士

この専門家について

執筆記事一覧

関連記事&スポンサーリンク

最新記事や今おすすめ記事をお届けします。
解決!アスクミー JIJICOメルマガ

>今すぐ登録する!

「法律」のその他の記事

2018年2月24日 橋本 貴司さん
ドローン操縦者
解決!アスクミー JIJICO
ドローン空撮 どんな手続きが必要?日程はどれくらい見ておけばいい?
鳥目線でダイナミックな動画や写真撮影が可能な無人航空機ドローン。でも、外で飛ばして撮影をしたいという場合、いつでもどんな場所でも飛行できるの?いいえ、そうではありません!ではどのような手続きが必要か、どれくらいの日程が必要か解説します。
2018年2月24日 片島 由賀さん
弁護士
解決!アスクミー JIJICO
九州超える面積の所有者不明土地、利用権設定で活用の起爆剤になるか
所有者が分からない、「所有者不明土地」が土地活用にあたって壁になっています。その土地の広さは九州を超える面積という調査結果もあり、その問題点と新しい制度の内容を解説します。
2018年2月20日 田沢 剛さん
弁護士
解決!アスクミー JIJICO
近所のゴミ屋敷、どう対応すればよい?法的な手段はとれるのか?
ゴミ屋敷条例のない地域にあるゴミ屋敷の近隣住民としては、町内会や自治体を通じて当の住民に働きかけてもらうしかありません。ただ、そもそもゴミ屋敷が生じる背景には、認知症、加齢による身体機能の低下や地域からの孤立などの問題が潜んでいるため、法的規制とは別に本人に寄り添った福祉的な支援が必要でしょう。
2018年2月19日 加藤 豊さん
不動産コンサルタント
解決!アスクミー JIJICO
2018年4月からインスペクション本格化。買主のメリットや注意点は?
2018年4月からインスペクション(建物状況調査)の活用を促す改正宅建業法が本格施行されます。これから家を買う人のメリットや注意点を詳しく解説します。

テーマ