JIJICO

田中 正徳さん

次世代教育プランナー

夏休み明け、子どものようすを見つめていますか

2017年9月8日

解決!アスクミー JIJICO

子どもの精神的なプレッシャーを物語る数字

子どものいじめ・不登校などの問題がクローズアップされ、日々のニュースでも目に触れることが多い昨今。平成29年度版自殺対策白書によると、15歳~19歳の死因第一位が「自殺」でその割合は36.6%と、かなりを占めています。また平成19年以降の原因・動機別の自殺の状況を見ますと、「学校問題」が毎年300件前後で、平成28年には319件にのぼっています。

実際にこの数字を見てしまうと、より身につまされ、真剣に向き合う必要を感じざるを得ません。そして、1年の中で18歳以下の自殺がもっとも多い日が9月1日です。この日は他の日と比べて2.6倍と断トツで多く、ここから見えてくるものがありそうです。

夏休みも終わり、ほとんどの学校で二学期が始まる日がなぜ、こうも子どもに負担を与えるのでしょうか。白書からは、夏休み明けで生活環境が大きく変わるこの時期だからこその、精神的プレッシャーの影響が書かれています。学校に慣れることもなく常に負担を感じていた子どもにとって、またあの日々が始まるのは恐怖でしかないのでしょう。家と学校以外に自分の居場所がなく、視野が狭くなってしまいどこにも逃げ場がないと思い込んでしまうのは、大変危険だと言えます。

手を差し伸べたいサイン

子どもだけが抱え込んでしまわないように周囲の大人ができることは必ずあります。特に夏休みの後半から、子どもを注意深く観察することで見えてくるものがあります。

例えば、歯磨きをしない、服装に無頓着になる、髪が乱れていても気にしないなど自分のことを大切にしなくなるのは何らかのサインが出ている証拠です。その延長として、一切外出をしたがらない、友達との連絡も行わない、新学期が始まる前なのに学校のことを聞いても気のない反応をするようなことが続くようであれば、手を指し伸ばさなければなりません。

また、そういった子どもほど生活リズムも安定していない場合が多いのです。特に夏休み中など長期の休み中に乱れたリズムを元に戻せていないのです。実は、この生活リズムの乱れは、不登校など様々な問題につながっていく可能性が高いと言われています。不登校の生徒が学校を休みはじめるのは、7月~9月が最も多いのです。

まずは、就寝や起床、食事の時間をキチンと決めて十分な睡眠をとり、規則正しい生活を送ることから、夏休み明けへの対策を始めることが基本なのです。

「どうすることもできない」という思い込みには

ただ、そうは言っても子どもの心理として、「どうすることもできない」ような絶望感や、「誰も助けてくれない」と思い込んでしまう孤独感、そういった感情の状態が続いているのにもかかわらず、外に助けを求めることができないものです。さらには「唐突に危険行動を起こす」衝動性にかられ、最悪の選択をすることにつながることだってあります。

日頃から「辛いことがあっても、一瞬思いとどまれば、その苦しい体験が後の人生の大きな糧になること」を伝え、しっかりと向き合い、抱きしめ、「どんなことがあったとしてもあなたのことが好き」「大切に思っている」と愛情を言葉にすることこそ、親にできることではないでしょうか。

もはや子どもだけの問題ではありません。親も一緒になり生活環境から、あらゆる選択肢、違った価値観、多様なものの見方で見つめることが求められます。子どもが死にたいほど辛いのなら学校には行かなくても良い。罪悪感を軽くし、逃げ道を作ってあげる。しっかりと子どもを見つめたうえで一緒に具体的な行動を起こしていきましょう。子どもの安全こそが第一なのです。

\ この記事をシェアしよう! /

専門家に相談してみよう!

田中 正徳さん
次世代教育プランナー

この専門家について

執筆記事一覧

関連記事&スポンサーリンク

最新記事や今おすすめ記事をお届けします。
解決!アスクミー JIJICOメルマガ

>今すぐ登録する!

「こころとからだのケア」のその他の記事

2019年6月23日 村田 晃さん
心理学博士・臨床心理士
うつ病を発症し退職からのひきこもり、どのように回避すれば良いか?
「うつ病発症➝退職➝ひきこもり」の流れを回避するポイントは、「自分で抱え込まず、援助を求める」こと。うまく援助を求めるのも一種のスキルと捉え、社会資源を可能な限り利用することが大事。
2019年4月30日 青柳 雅也さん
心理カウンセラー
五月病にならないために気を付けるべきこととは?
今年のゴールデンウイークは10連休というかつてないほどの長い休みになります。ゴールデンウイーク明けに起こりやすい五月病ですが、例年より長い分、その発生を危惧する声も上がっています。五月病というのはどういう状態で起こるのでしょうか。また五月病にならないために気を付けるべきことはどんなことなのでしょうか。
2019年1月19日 上野 由理さん
美脚マエストラ
女性の「うろこ脚」の原因と対策を知ってキレイな足を目指す!
冬になると、肌の表面が乾燥し魚のうろこのようになってしまう「うろこ脚」しっかりお手入れしているはずなのに出てくるうろこ模様に、困っている人も多いのではないでしょうか。美脚を保つためのポイントをご紹介。
2018年12月11日 早川 弘太さん
健康管理士
冬に感じる倦怠感や疲労感の正体「冬バテ」とは?
やる気が出ない、眠くて仕方ない、甘い物が無性に食べたくなる、そんな症状はもしかしたら「冬バテ」かもしれません。これからどんどん寒くなる季節、体調を崩す前に「冬バテ」対策を知っておきましょう。

テーマ